開発許可
都市計画とは
住みよい街づくりのために、市街地から郊外の農地や山林のある田園地域に至るまで、人や物の動き、都市の発展を見通し、地形などからみて一体の都市としてとらえる必要がある地域を「都市計画地域」と呼びます。
都市計画区域の区内は3つの区域に分かれています。
市街化区域とは、街としてどんどん発展させていく区域です。一方、市街化調整区域とは市街化を抑制する区域であり、この区域内では原則として建物を建てることが認められていません。
また、市街化区域でも市街化調整区域でもない都市計画区域もあり、この区域を通称、非線引き区域といいます。
都市計画区域の外には、準都市計画区域と、「都市計画区域でも準都市計画区域でもない」区域があるため、結果として日本は5つの区域に分けられています。
開発行為とは
開発行為とは、簡単に言うと土地の造成工事のことです。一定の造成工事(開発行為)を行うには知事の許可(開発許可)が必要です。建築物の建築、特定工作物の建設のために行う土地の区画形質の変更を開発行為といいます。土地の区画形質の変更とは、以下のような造成工事のことを指します。
変更するところ | 具体例 |
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区画の変更 | 道路を新設して区画を変更する |
形状の変更 | 斜面をひな壇状にする |
性質の変更 | 農地や山林を宅地にする |
立体駐車場(建築物)を作るために土地の区画形質の変更を行えば開発行為にあたりますが、青空駐車場や畑(建築物ではない)を作るために土地の区画形質の変更を行っても、それは開発行為ではありませんので、知事の許可なしに行うことができます。
特定工作物とは
造成工事の目的が建築物の建築だけでなく、特定工作物を作る場合にも開発行為にあたります。特定工作物とは、以下のようなものを指します。
種類 | 工作物の例 |
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第一種特定工作物 | 周辺の環境悪化をもたらす恐れのある工作物 コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラントなど |
第二種特定工作物 | 大規模な工作物 ゴルフ場(面積は問わない) 1ha以上の野球場、テニス場、レジャー施設、墓園など |
開発許可が不要な場合
開発行為を行うには知事の許可が必要ですが、乱開発につながらない、小規模な開発や公的な目的で行う開発行為においては、許可は不要です。
開発許可が不要な場合
(①、②、③のいずれかに該当すれば許可不要)都市計画区域内 | 都市計画区域外 | ||||
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市街化区域 | 調整区域 | 非線引き | 準都市計画区域 | その他 | |
①小規模開発 | 1,000㎡未満 | ― | 3,000㎡未満 | 1ha未満 | |
②農林漁魚のための開発行為 | (許可不要) 農業を営む物の居住の用に供する建物 (=農家の住居)等 農産物の生産・集荷用に供する建築物を作る開発行為も調整区域内等では許可不要 |
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③公益目的の開発行為、軽微な開発行為 | (許可不要) ・図書館、博物館、公民館、駅舎などの鉄道施設、変電所など ・土地区画整理事業、都市計画事業、市街地再開発事業 ・車庫・物置の設置など通常の管理行為、軽易な行為 ・非常災害のために必要な応急措置 |
許可の要不要 | 建物の例 |
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不要 | 図書館、博物館、公民館、駅舎、変電所 |
要 | 学校、医療施設(病院、診療所)、社会福祉施設 |